体験レポート/ブッシュクラフト編

体験レポート/ブッシュクラフト編

国定公園で、
話題のブッシュクラフトに挑戦してみた

Text : 立野 由利子 Photo : 新本 真太郎

キャンプ場でテントを張り、焚火をするのはアウトドアの楽しみのひとつ。張ったテントの中でくつろいだり、揺れる炎を静かに眺めたりといった、日常ではなかなかできない体験が醍醐味といえます。

最近のキャンプはギアが充実していて、初心者でも気軽に楽しめる反面、少し物足りなさを感じることも。「もっと自分の手を動かして、その場にあるものを生かしたキャンプがしたい」という方におすすめなのが、「ブッシュクラフト」。限られた道具と環境を活用し、プチ・サバイバルを楽しめるキャンプスタイルです。

今回は、インストラクターとともに、岩屋キャンプ場でブッシュクラフト体験。国定公園であり、豊かな自然あふれる岩屋キャンプ場ならではの、自然を満喫するアクティビティとなりました。

今回の案内人は、ジャパンブッシュクラフトスクール認定インストラクターの増井翔太さん。登山やキャンプなどのアウトドアに精通し、福岡県内のキャンプ場に勤務。二年ほど前からブッシュクラフトにハマっているとか。

ブッシュクラフトとは?

ブッシュクラフトは、自然の中で生き延びるためのサバイバル術。人が生きていく上で必要な5つの要素「空気・宿・水・食・火」を、周囲の自然を最大限利用して獲得していきます。モットーは、 “スモールイズビューティフル ”。必要な最小限の火や資源で、環境負荷を与えず、楽しみましょう。この記事では、5大要素のうち、宿を確保し、火を起こして、食にありつくまでを3STEPでご紹介します。

岩屋キャンプ場がブッシュクラフトにぴったりな理由

岩屋キャンプ場は、ブッシュクラフトに使う木の枝や葉っぱを集めるのもぴったりの環境(落ちているものは活用して問題ありませんが、生きている木の枝を折ったり、実をもいだりすることは厳禁です)。水道やトイレなどの設備も整っているため、レベルに合わせてブッシュクラフトを体験することができます。

必要な道具はこれだけ

①ペグ …… 4本(木の枝を削って代用してもOK)
②ナイフ …… 刃渡りがあり、しっかり握れる方が使いやすい
③シート …… ブルーシートでも可。ロープを通すためのハトメ穴が開いているものを
④ペグハンマー …… トンカチでも代用できますが、専用のものだとやりやすい
⑤パラシュートコード …… 3m×2本
⑥メタルマッチ …… こすって火を起こすためのもの

STEP1 タープでシェルターをつくる(宿の確保)

まずは、シェルター作り。シェルターを支えるポールの代わりとなる木の枝を、拾いに行きます。この時に水場までの距離や生えている植物などをチェック。

常に自然を観察する目を持ちながら、歩いてみましょう。いろんな発見がありますよ。


枝は、なるべくまっすぐなものを選びましょう

シートを張る場所を決めたら、広げてペグを打ち込みます。
風の影響を受けにくいよう、キャンプサイトの奥が背面になるように張るのがおすすめです。

ペグは、先端がシートに対して対角線になるよう、ナナメに打ち込みます。

シートやポール、固定用ペグにパラシュートコードを結びます。
それぞれ、50cmほど残して自在結び(張力を調整できる結び方)に。

完成! サバイバルの拠点になるシェルターができあがりました。

STEP2 木の枝から火を起こす(火の確保)

薪にする木の枝を拾い集め、太さによって3 種類に分けます。地面に落ちている枝は湿っていることが多いので、湿り気の少ない茂みに落ちているものを選ぶのが◎。


細い方(上)から えんぴつの芯、えんぴつ、ゆびと分類します

焚き火台の中心から、えんぴつの芯→えんぴつ→ゆび(細い→太い)の順に置きます。
着火芯代わりに、ほぐした麻ひもを丸めて中心に置きます。

メタルマッチで麻ひもに点火。ワクワクする瞬間!


点いた!炎が上がるとテンションも上がる〜!

STEP3 マシュマロを炙り、コーヒーを飲む(食の確保)

おこした焚き火を使って、食の確保。お楽しみの時間です。マシュマロを刺す串も、木の枝を削って自作するだけで、より本格的に。


子どもの頃にした鉛筆削りの要領です。覚えてますか?

マシュマロは火に近づけすぎるとアッというまに焦げてしまうので、熱でじっくり炙るのがコツ。一緒にコーヒーを飲むため、お湯も沸かしておきましょう。

良い焼き加減になったら、「いただきます」。自分でおこした焚き火で焼いたマシュマロ、とろけるおいしさ。


ホッとできるコーヒーも必需品。この時間が大事なのです

焚き火が終わったら、残った炭は炭捨て場へ。細かく粉状になった灰は、温度が下がっていればその場に撒いてもOK。

ブッシュクラフト体験、いかがでしたか? シェルターを作ったり、焚き火をおこしたりするだけで、いつもとは違うキャンプが楽しめるのがブッシュクラフトの魅力。岩屋キャンプ場では、ジャパンブッシュクラフトスクールが主催するブッシュクラフト講座を、定期的に開催しています。詳しくはお知らせ公式Twitterをご確認ください。

キャンプ場に来れば、
こんな体験ができるかも。
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